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息が白く、煙突の煙みたいに口から出ていた。
よく年老いた人から昔話しを聞いた事がある人は多いだろう。
火事では本当に怖いのは火ではなく煙であることや、昔あった事件や自分の体験したことを聞かされたのではないだろうか。
口から出る白い煙のような息を静かに吐いてるのは猟銃を構えてる男。上下は茶色の防寒着。頭は耳を保護するようなニット帽をかぶっている。
その男が多くの老人から聞かされた話は数知れずあるが、彼が自分の心に言い聞かせていたのはただ1人、老人の言葉だった。
『心を静かに保ち、焦らず、ゆるりと狙い、機会を待て』
これは彼の祖父の言葉だった。
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