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来訪者
―――――――――
…ぃ……っ!!!
………っ……!!
(何を叫んで騒いでいるの…?喧嘩…?)
「…っ姉ちゃんの馬鹿!」
「何よ!あんたが悪いんじゃない!!」
(ああ…喧嘩をしているのは…私と翔太だ…)
「翔太ぁ!…ごめ…っごめんね」
―――――――――
ゆ…り…
(え?何?)
ゆ…うり
「侑里!起きて!」
「っ?!」
侑里という少女が、勢いよく頭を上げると後頭部に激痛がはしった。
「いったぁ~;」
「…っ顎が;;痛いのはこっちだよ!どうしたの?午後ずっと寝てたじゃん」
……辺りを見ると、机がたくさん…学校だ。窓からは夕日が、もう放課後なのだろう。侑里は「ごめん京子」とだけ言うと‥
「…夢、か。」
「え?何か言った?」
「ううん…待っててくれたの?」
どうやら私は放課後までずっと眠ってしまったらしい‥と状況を呑み込む。
「侑里ひとりじゃ心配じゃん。…家で独りっきりなんだし…」
最後、弱々しく顔を伏せる。
「しっかし、先生もよく放っておけたわね~」と侑里の友達だろう―京子は侑里の表情を気にしながら見た。
当の侑里はただ苦笑いをするだけだった。
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