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「…私なら、もう大丈夫だよ?家だって…たまにお隣さんが顔出しにきてくれるし」
侑里はそう言いながら素早く身仕度をする。
「……。早く帰ろっか!もうすぐバイトの時間なんだよ~;」
一瞬、ふたりに寂しそうな顔がみえた。
「あまり大きな声で言わない方が良いんじゃない?先生に聞かれるよ」
ふたりはバイトが許されない学校に通っている。京子は「やばっ;」と口をおさえるマネをした。
「んじゃ早く行こ!私を待ったせいで遅刻なんて嫌だもん;」
ふたりは少し急ぎ足で校内を出て、帰り道を歩いて行った。
「侑里~何かあったら言いなよ?幼なじみの京子さんはいつでもあなたの味方だからね??」
京子はふざけたように言ったが、侑里にはちゃんと伝わっている。
「了解~。それじゃ、明日ね」
(いつもありがとう…京子)
侑里は京子の背中を見送り、角を曲がると……何かが頭に響いた。
『どうせ…俺は代わり…か』
(幻聴?いや、誰かの声…いったい誰の?)
ついに、来た。
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