来訪者

3/3
前へ
/16ページ
次へ
(何…?) 辺りを見回しても誰もいなかった。 (空耳なん…) ふと左の方の公園をみると      ゴォォ‥ 「…何これ;」 空間に切り込みが出たと思ったら黒い隙間が広がってゆく。 (お、落ち着け私!これはきっと疲れて幻覚を見ているのよ…) 「…っ」 黒い隙間から声がした。 「…え」 侑里は自分の目を疑った。その中から人が姿を現したのだった。 それは推定‥18歳くらいの金髪にアイスブルーの瞳の青年。 (綺麗な金髪…外人かな?…って違う!今のは普通の人間ができる代物じゃないわ;) 「だ、誰あなた?!」 …その青年は侑里に気付くと真っすぐ見つめ、口を開いた。 「えっと…ここ、アース?」 ……………。 「は?」 (今この人何言ったの?アース…アースって英語で地球だよね;) 「…うーん…人間がいるし…界の狭間越えたし、やっぱりアースだよな?」 青年はぶつぶつと独り言を言い一人で納得をしている。 「…変質者;」 「え?」 侑里が呟くと瞬時に反応する。 「俺は変質者じゃない;来訪者だ!失礼な;」 (やっぱり変質者だよ、頭イカレてるよこの人;) 「さよなら!」 ダッシュ。謎の青年から逃れるため走り出した。 「…え?ちょっと待って!君にはまだ聞きたいことが…!!」 (勘弁してよ;私にはあんたに用はないんだからっ) 侑里はお構いなしに全力で走り去って行った。彼の呟きだけを残して。 「…あいつらが探しているのは…あの娘だよな。多分。」 ≫≫
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加