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(何…?)
辺りを見回しても誰もいなかった。
(空耳なん…)
ふと左の方の公園をみると
ゴォォ‥
「…何これ;」
空間に切り込みが出たと思ったら黒い隙間が広がってゆく。
(お、落ち着け私!これはきっと疲れて幻覚を見ているのよ…)
「…っ」
黒い隙間から声がした。
「…え」
侑里は自分の目を疑った。その中から人が姿を現したのだった。
それは推定‥18歳くらいの金髪にアイスブルーの瞳の青年。
(綺麗な金髪…外人かな?…って違う!今のは普通の人間ができる代物じゃないわ;)
「だ、誰あなた?!」
…その青年は侑里に気付くと真っすぐ見つめ、口を開いた。
「えっと…ここ、アース?」
……………。
「は?」
(今この人何言ったの?アース…アースって英語で地球だよね;)
「…うーん…人間がいるし…界の狭間越えたし、やっぱりアースだよな?」
青年はぶつぶつと独り言を言い一人で納得をしている。
「…変質者;」
「え?」
侑里が呟くと瞬時に反応する。
「俺は変質者じゃない;来訪者だ!失礼な;」
(やっぱり変質者だよ、頭イカレてるよこの人;)
「さよなら!」
ダッシュ。謎の青年から逃れるため走り出した。
「…え?ちょっと待って!君にはまだ聞きたいことが…!!」
(勘弁してよ;私にはあんたに用はないんだからっ)
侑里はお構いなしに全力で走り去って行った。彼の呟きだけを残して。
「…あいつらが探しているのは…あの娘だよな。多分。」
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