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無くしたモノ
(…逃げてきてしまった;)
今思い返すと、あの人は困っていたのかもしれない。
「……。ま、もう逃げて来ちゃったんだからしょうがないよね;」
そのまま侑里は自宅へと帰っていった。
「…ただいま~って、誰もいないか‥」
苦笑いをし、自分の部屋へと階段をのぼっていく。夕日が静かに部屋を照らしていた。真っすぐ机へ向かうと、そばに置いてある写真立てを手に取る。
(あれから半年が過ぎるのか‥)
「グス…お父さん、お母さん、‥翔太ぁ…っ」
写真に滴がひとつふたつ落ちると共に、侑里はあの日を思い返した。
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