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おれが前に電車に乗っていた時に周り3㍍位に聞こえる位かなり音漏れした奴がいた。
コイツ難聴なんじゃねぇのとか思う位不快だったんだけどさ。
曲が変わって次の曲が再生されたとたんに、そいつの奴の隣に立ってた乗客が音漏れの曲に合わせて突然指をパチパチ鳴らし始めたんだ。
しかもリズムばっちりあってるんだよ。
で、まぁタチの悪い嫌がらせだろうけど、音漏れ難聴野郎も悪いし誰も気にかけなかった。
それどころが座ってる客が足でダンタンダンタンとビートを刻み始め、帰宅途中であろう高校生は携帯を開け閉めカッチカッチカチとアクセントを加えはじめた。
サラリーマンの親父が持っていた傘を打ち鳴らし、OLが化粧ポーチをマラカスのように振る。
そこに音楽はあった。
優先席のおばあちゃんがその熱いヴァイブスに打ち震えるまでの最高潮だったが音漏れ難聴野郎もさすがに気付いた様子で恥ずかしそうに音量を下げ、それと同時に乗客の音楽も止んだ。
音漏れ難聴野郎への不快感は消え、むしろ感謝していた。
ありがとう、音漏れ難聴野郎。
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