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それからは、思ってもいない言葉を機械的に、無意識にただ羅列するだけ。
俺の口からは、気持ちのこもっていない綺麗事が戯言のように簡単に飛び出る。
それを人は疑いもしない。
「良い子だねぇ」と近所のおばさんは笑顔で誉め称える。
その言葉に俺は笑顔で返す。
顔面に張り付いた偽りの笑顔で……。
こんなのは優しさなんかじゃない。
何もわかっちゃいない。
誰も何もわかっちゃいない。
こんな偽善ぶった俺なんか誉めてどうする。
綺麗事を並べている俺を許してどうする。
隣にいるこいつも
俺のことを優しいと言う。
俺のこれは優しさなんかじゃない。
これは醜い心の現れだ……。
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