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「ハァ、ハァ、やばい、殺される!」
いつもの日常、いつものダメっぷり。こいつこそ次代のハルバルト家を担う少年、カイルである。
「おい、逃げんな、クソガキ」
「女の子がそんな口調するもんじゃないよ」
「うっせー!」
この大きい声をあげている女性はリザ。この屋敷に仕えるカイルのお目付け役。ハルバルト家の屋敷。ここでは、このような光景が頻繁に目撃できる。
「あっ!」ドサッ!!
ここで転けてしまうとはあまりに不運だ。
「さあカイル様、もう逃げ場はありませんよ」
カイルが後ずさりながら言う。
「今日は白か」
もちろんリザのパンツの色であることは言うまでもない。
ここでリザから何かが切れる音がした。
「この変態野郎!!」
カイルはリザの手により気絶させられた。
「連れて参りました、当主様」
「おお、ご苦労であった。いつも苦労をかけるな。リザ」
ここはハルバルト家の屋敷。そして、この大きな机を前に座っている人物こそハルバルト家の当主、セイム・ハルバルトである。
ここでカイルがいつから寝てたのもわからないまま目を覚ます。
「おい、リザ!何すんだよ!」
「当主様の命令です」
さらっと無表情のまま答えるリザにむっとしながらも状況を理解した。
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