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「ガキを殺せ……殺せよ!イビルアイズ・アーチャー!」
瓦礫の中に潜みながら、射手の旧友、黒狐が
ライフルを構える。
お上の命令でさ、伝令を殺さないと…俺がお前の額を撃っちゃうよ?
悪意の笑みは、一層深く狂気を帯びて。
……いや、その前に。
面白い余興を考えた。
『俺が伝令を撃とう。』
ヤツ(魔眼)に出来て、オレ(黒狐)に出来ないハズは無い!
射手の監視と共に、黒狐は軍から、新型の高倍率照準器付き精密射撃専用ライフルのテストを任されていた。
コイツの性能に比べればヤツの旧式ライフル銃など玩具みたいなものだ。「おら、当たれっ!すばしっこいな、ああっ、外した!そら、動くな!」
いかに高性能ライフルと黒狐の技術をもってしても、瓦礫(遮蔽物)の中を走り回る俊敏な子供達の小さな頭を狙い、撃ち抜く事は難しかった。
「なんだぁ?魔眼、自慢のつもりかぁ?畜生!!ヤツは、こんな悪条件で四発中、三発もガキの頭のド真ん中に命中させてやがったってのか!」
昔からそうだ!俺がどれだけ練習しても、戦場でどれだけ人間を殺しても!ヤツは俺の上を行く!俺をバカにしやがる!!
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