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いかに高性能ライフルと黒狐の技術をもってしても、瓦礫(遮蔽物)の中を走り回る俊敏な子供達の小さな頭を狙い、撃ち抜く事は難しかった。
標的が……"頭"ならば。
(だったら簡単だよ。
頭より大きな身体を狙えばいいじゃないか。)
黒狐は狙いを変えて
引き金を引きだした。
身体に当てさえすれば、子供は痛みで動けまい。
後は放っておけば、勝手に飛び交う流れ弾に当たって終わりだ。
「くくく…一人……二人。当たる!当たるぞ!」
どうだ、魔眼の射手!!こんな任務、俺にも出来る!神に祈ってばかりのお前が、必死で戦っている俺より優れているものなんか、一っつも無いんだぁあああ!!
…それを軍は認めない!
何かあったら、魔眼魔眼魔眼魔眼魔眼!!
重要な狙撃を任されるのは全て魔眼の射手!!
黒狐こそ、軍で一番優れた狙撃手であるべきなのにぃいいい!!
……終わりにしてやる。
この新型ライフルで!!
『魔眼の射手は敵兵に撃たれて戦死しました。
やはり黒狐が我が軍最高の狙撃手です。』
「くくく……あはははは!!」
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