五月三日。

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やぁこんにちは。 僕は三須田信。十六歳。 皆からは『ミスター』って呼ばれてる高校二年生。 俺はその日の放課後、友人のほとんどが帰宅してしまった後、学級委員で現生徒会長の倉本舞奈と、かれこれ小学校からの付き合いになる三村良人(みむら よしひと)と共に生徒会室にいた。 俺と良人が教室に残っていた時、 「ねぇねぇ君たち! 暇そうだね。僕のお手伝いに来ないかい?」 人懐っこい笑顔で舞奈が誘ってきた時にはもう遅い。 どうしようか……。と考えていた俺と良人を、舞奈はその細い腕からでは想像できない力でガッチリと掴み、有無を言わさず生徒会室に引きずり込んだ。 そして舞奈は、部屋の一角を指さして、 「そこのダンボールの中に入ってる物を、全部棚に移してくれないかな!」 そこには大きめのダンボールが十数個、山積みにされて置かれていた。 ……これを全部やれと? 無理矢理引っ張ってこられて仕事をさせられるなんて、ちょいと納得いきませんな。 「生徒会長が生徒に無理矢理仕事を押し付けていいのか?」 「こんなもん、他の生徒会の奴らにやらせりゃいいじゃん」 俺たちは舞奈に対して口々に文句を言った。
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