目撃

7/13
前へ
/487ページ
次へ
「玲ちゃんさ、男に殴られた経験ある?」孝彦は唐突に言った。 「ええ?何、急に」玲子は笑った。 「男に殴られても一緒にいたいと思っちゃう女の心境って何だろ?」孝彦は言った。 「次の新曲のネタか何か?稲葉君に頼まれたんですか?」玲子はケタケタ笑った。 「いや…最近そんな女に出くわしてさ…」 玲子は少し考えて「好きだから一緒にいるんじゃないかな」と言った。 「そういうもん?」孝彦も少し考えた。 「本当に好きなら…殴られても一緒にいるんじゃないかな。私はごめんだけど」玲子は言った。 「ふ~ん…」孝彦は腕組みした。
/487ページ

最初のコメントを投稿しよう!

45人が本棚に入れています
本棚に追加