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机の上に放置してある煙草の箱から煙草を一本取り出し、僕は慣れた手つきでライターの火を着ける。
美味くもない煙草。
元々煙草に執着は無い。
気が向いたら吸う、それだけなのだが。
なんだか今日は吸わなくてはいけないと思った。
時計の針は午前の四時過ぎを指している。
副流煙の流れる先を見つめるが、白い天井。
今の僕には何も見えない。
夢も、人生の意味も、何時かの黒髪も、何も、何も。
叙情的になるなと言われれば、こんな状況じゃ多分無理な話だと思う。
とんとん、と灰皿の縁に煙草の先を叩きつけ、それを中心に置き、僕はもうひと眠りしようとベッドに潜り込んだ。
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