Ⅰ,旅心

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夢を見た。 僕の見る夢は大抵モノクロで、忘れようとしない限りいつまでも忘れない、というのが大きな特徴だと思う。 その夢の内容なのだが、簡単に言えば《廃墟の中で惑っている》そんな夢であった。 そして不思議な事に、夢の中に女の子と僕が出てきて、僕ら二人だけがカラーだった。 僕は夢の中で気付けば廃墟にいて、横に居た女の子の唇は鮮やかでとても赤く、艶々していて、目が合った瞬間に透けて、消えてしまう。 その女の子は見覚えがある顔だと思ったが、唇が赤い事しかちゃんと認識できなかった。 そうして、変な気分のまま目を覚まし、所謂「朝チュン」に迎えられる。 午前七時。
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