第二話 ─花の種─

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とある日、部活に遊びに行くと、 彼女が泣いていた…。 理由はあえて聞かない。   「大丈夫だよ」   僕はそう言い、 手を差し延べた。   「先輩…」   彼女は震えた声でそう言った…。   しばらくの間沈黙が続き、 彼女がそっと口を開いた。   「後輩と、もめてしまって…」   彼女は一人で 後輩三人の面倒を見ている。 自分もそうだったので、 痛いほどその辛さが分かる。   「そうかそうか。 もう平気だから」   そう言うと、彼女は、 僕の肩で声を上げて泣いた…。   肩に落ちていく雫…、 とても温かい…。 この雫が、 恋という花の種なのだろうか…。   僕はそっと、彼女を撫でてあげた…。
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