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とある日、部活に遊びに行くと、
彼女が泣いていた…。
理由はあえて聞かない。
「大丈夫だよ」
僕はそう言い、
手を差し延べた。
「先輩…」
彼女は震えた声でそう言った…。
しばらくの間沈黙が続き、
彼女がそっと口を開いた。
「後輩と、もめてしまって…」
彼女は一人で
後輩三人の面倒を見ている。
自分もそうだったので、
痛いほどその辛さが分かる。
「そうかそうか。
もう平気だから」
そう言うと、彼女は、
僕の肩で声を上げて泣いた…。
肩に落ちていく雫…、
とても温かい…。
この雫が、
恋という花の種なのだろうか…。
僕はそっと、彼女を撫でてあげた…。
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