第三話 ─始めての…─

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彼女から力が抜けていく。 安心したのか、 寝てしまっているようだ。 そっと、 彼女の体を横にさしてあげた。   ここは階段の裏。 当然、 一目につくような場所ではない。   そこに、眠っている彼女と、 自分がいる…。   自分の顔を、 そっと彼女に近づける…。   あと少し…。   「ん…」   彼女は起きてしまった。 慌てて座り直す自分。   「先輩…」   彼女がそういうと、 照れている自分に近づいてきて、   唇が、頬と触れ合った…。   柔らかい…。 こんなに柔らかいんだ…。   始めてで、 動揺を隠しきれない自分に、   「ありがとう…」   と、呟いた…。
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