プロローグ

2/3
前へ
/41ページ
次へ
  「百の命をあなたが奪えば、彼はまた、あなたの元に還ってきますよ」   無数の黒い十字。   連れ人の腕に刻まれた、奇妙な刺青の意図を汲むこともなく、僕は、甘い言葉を受け入れてしまった。 彼を擦り切れさせた言葉で、僕は彼を救う為に…   人が死ぬのは怖くない。 人を斬るのは怖くない。   そんな嘘を繰り返すうち、いつか僕は、僕でなくなってしまうかもしれない。   けれど引き返すことが出来ないのなら、僕は耐えることにした。 最後までちゃんと、僕の我儘を叶える為に…  
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加