トマト村

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るんたった♪ るんたった♪ スキップをしながら、ただ、唄をうたっていただけだったんだ。 僕の中から何かが抜けたのがわかった。 僕はトマト村にいた。 「やっべ☆また来ちった!」 片目をつぶって頭を軽く叩く動作。 こんな所に来てまで、うちのクラスにいるV系の…いや…正確に言えばVパンの… どうでもいいか☆ うちのクラスの女の子のモノマネをしてしまった。 最近、仲間達の間で流行っているんだ、この女の子自体が。 背はすらりと高く、横幅はズッシリ だけども、母親みたいな包容力と 時折見せる照れた動作に僕はメロメロだった。 つまり僕は恋をしていた。 よいしょ…と腰をあげる。 最近よく感じているのが、自分の老い。 まだ19歳だろ。 なんて友人に言われたけど、あぁ、お前らも19歳だったもんな…。 お前らは自分の老いを認められないだけなんだぜ☆ そう言うと苦虫を噛み潰したような笑顔をむけられるし、やめておこうか。
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