未定

お盆のある日

…お盆になると必ずといっていい程じいちゃんから言われてた。

「…ちぃ、約束だよ。送り盆の日が過ぎるまでは絶対に仏壇に線香をあげちゃいかん。」

幼かった私は、じいちゃんが大好きで訳も分からずに返事をしていた。

家の仏壇は、田舎ならではの立派な仏壇で、毎年お盆になると、色々な飾りで少し賑やかになる。

私は、提灯灯りのついたそんな仏壇を幼いながらに綺麗だと思い、思わず母や父のマネをして、線香をあげて手を合わせたくなるのだ。

しかし、この時期になるとじいちゃんがほぼつきっきりで遊んでくれていた為、私はお盆の期間を特に意識する事なく、なんなく過ごす事が出来ていた。

私も段々と成長し、とうとう18になった。

時というのは無情なもので、私の大好きだったじいちゃんは亡くなってしまった。

そして今年、じいちゃんがなくなってからはじめてのお盆を迎える。