プロローグ

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「ねえー、彼女っ」  まただ……また声を掛けられたよ。  目の前に立つのは同い年ぐらいの男の子。  シルバーの髪に耳にはピアス、顔はかなりの男前。  身長は一八〇センチくらいで、モデルのようにスラッとしたスタイル。見た目は申し分ないけど、ちょっと軽そうな頭……いや、性格をしていると思う。 「ねえ……暇なら、俺とお茶でもしない?」  馴れ馴れしく肩に手を置いていかにも気さくですって感じで話し掛けてきたけど、今時この台詞はないんじゃないかな?  時代がかなり逆行して感じるんですけどね。 「ねえ、ねえ……行こうよ、ねえ」  こっちが返事をしない事にじれたのか、それとも気が短いのか、そんな事は分からないけど何故か強引に尚且つ急かしてくる男の子。でも、男の猫なで声がこれほど気持ち悪いとは思わなかった。  それに人の調子をうかがう笑顔って言うのはもっと気持ち悪いものなんだって始めて知ったよ。
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