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「い、いいだろ、別に! そ、それより……み、未来こそ、何やってんだ? こんなところで」
「私は待ち合わせよ。――でも、まだ来てないみたいなんだよね」
「ん? ……もしや未来にも、やっと春が来たか?」
キョロキョロとあたりを窺っている女の子にここぞとばかりに反撃した男の子だが、蛇に睨まれた蛙のように段々と勢いをなくして俯いてしまった。
「幼なじみが帰ってくるのっ」
「……なんだ。てっきり、おと――ぐはっ!」
一瞬何が起こったのか分からなかったけど、目にも止まらぬ速さで鉄拳を繰り出した女の子。それを鳩尾に綺麗にジャストミートして吹っ飛んでいく男の子。
……こ、怖っ。
豪腕を振り上げて勝利の雄叫びとガッツポーズをしている女の子と、遥か向こうまで転がっていった男の子がピクピクと悶絶している姿は異様と言わずして何と言う。
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