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「まったく……それしか頭にないのかっ、アンタは!」
悶絶する男の子まで駆け寄っていき、飛び上がってトドメの一撃。
……飛び膝蹴りって。
鳩尾に追撃を入れ、更に悶絶する男の子はピクピクと痙攣し、どこか幸せそうな顔(完全に逝っている顔だけど)で昇天していった。
……安らかに眠ってください。
なんだか目の前で繰り広げられた光景はとても衝撃的で、もしかして来る町を間違えたのかなと思ってしまっうけど……でも、もしかしたら今のこの町ではこれが当たり前なのかも知れない。
「大丈夫?」
「……ふぇ?」
などとあらぬ妄想をしていたら、いつの間にかそばまでやってきた女の子が顔を覗き込むようにして話しかけてきた。
よく見ると結構可愛い女の子。
よく見るとは失礼かも知れないけど、こうやって間近で見ると先ほどまでの怖そうな雰囲気はなく、一転してとても優しそうな笑みを浮かべていた。
「ごめんね。知り合いが迷惑かけて……」
「え、あ、いえ……滅相もございません」
そして、「ごめんね」と手を合わせて頭を下げてくる女の子に慌てて頭を下げる。
「それじゃね。こんな変なナンパ男に引っ掛からないように、気をつけてね」
そう言いながら、足元に転がる男の子を一瞥して鳩尾を足蹴にする女の子。
……やっぱり、怖いかも。
結構むごい事をする子だね……ははっ。
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