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「うわぁ!」
カイトは勇者の声を聞き、二人が思ったより弱いことに落胆しながら、スライムに向かって歩き出す。
その隣では、火の玉でダメージを負った勇者に僧侶が駆け寄り、治癒魔法を施していた。
カイトは剣を抜き、間合いを詰めてスライムに切りかかると、一撃で相手は倒れた。
それで戦闘は終わる、相手はたった一匹のスライムで、二人はただのスライムに苦戦したのだ。
カイトは三人から、戦えるなら先に倒してくれれば良かったのにと言われたが、それを無視して告げる。
「勇者、お前はもっと剣に慣れろ、剣に振り回されている。それに鎧を脱げ、動きを阻害してる。
次に魔法使い、もっと狙え、焦る気持ちはわかるが、焦れば命中しにくくなるぞ」
無駄とわかりながら告げるカイト、案の定二人はカイトの言葉を聞き入れずに告げる。
「僕は勇者だ!僕は選ばれたから強いんだ!君の指図は受けない!」
「そうよ!あんたに言われたくないわ!」
口々に言う二人、しかし鎧が重かったのか、勇者は鎧を脱いでそれを魔倉庫へと仕舞っていた。
魔倉庫は魔力があれば使える魔法で、荷物をしまうことが出来、魔倉庫内では時間が経たない。
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