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そうして魔物との戦闘を思い出していると、やはり勇者がお荷物になっていることに気づく。
それは放置の方針で、一日共に行動して、二人が勇者を好いている理由が大体わかった。
どうやら二人は異性として勇者を好いているのではなく、自分の居場所としているように感じる。
魔法使いは、問題児だと一目置かれている時に声をかけられて、僧侶は戦闘から逃げているときに、逃げを肯定されて。
二人は自分の思いを肯定してくれる勇者に、彼なら自分を認めてくれると、好意を持った。
しかし、勇者の顔が不細工なら有り得なかったことだろう、そう考えていると、話し声が聞こえだす。
どうやら三人共、野営の道具や食料を持っていないようで、水は少しだけ魔倉庫へ入っているようだ。
カイトはため息を吐き、出立の前に色々と買い集めていて良かったと思いながら、準備をする。
まずは、魔倉庫から取り出したテントを二つ組み立て、次に薪を取り出して三角錐になるように組む。
そして、火の魔石を取り出して、三角錐の中央の隙間に燃えやすい物を入れて、火を点ける。
魔石からは小さな火の玉が飛び、火は段々大きくなる、三人はその様子を見て、唖然としていた。
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