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「あんた火を使うなら私に言いなさい!」
「ダメだ、火力が強すぎる」
いち早く我に帰った魔法使いが言うも、その言葉をカイトは切り捨て、さらに準備を進める。
次に取り出したのはY字型の棒と、中央が凹み、両端に出っ張りがある棒、それと中央に取っ手の付いた鍋。
棒は金属製で、カイトはY字型の棒を焚き火を挟むように刺し、もう一つの棒の凹みに鍋の取っ手を引っ掛ける。
そして、鍋が引っかかった棒をY字型の棒の上に置く、出っ張りのお陰で鍋が落ちる心配もない。
鍋と火には間があり、これで鍋の準備は完了し、カイトは三人に尋ねる。
「何か食べれない物は無いか?」
少し悔しそうにしていた魔法使いは首を振り、勇者と僧侶は未だに唖然としたままだ。
「二人を起こすのを手伝ってくれ」
「わかったわ」
カイトは魔法使いに声をかけ、魔法使いは不服そうな表情で賛同し、カイトは勇者を魔法使いは僧侶を起こした。
二人とも食べれない物はないようで、カイトは鍋に水を入れて、調理を始める。
まあ調理と言っても、鍋に肉と野菜、調味料を入れて煮込むだけで、辺りにはいい匂いが漂いだした。
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