266人が本棚に入れています
本棚に追加
放たれた矢は勇者へと命中し、勇者はその場に崩れ落ちる、矢には睡眠薬が塗ってあったのだ。
カイトは眠った勇者を担ぎ、矢の痕に魔倉庫から取り出した治療薬をかけ、テントへと寝かす。
薬のお陰で朝まで起きないだろう、そう思いながら、再び焚き火の前へと陣取る。
そこで薪をくべながら、自分がこの旅に付いてきて良かったと、胸をなで下ろしていた。
無事夜が明け、まずは魔法使いと僧侶がテントから出てくる。
「おはよう、俺は勇者を起こしてくるよ」
「おはよう」
「おはよ」
声をかけると、二人から返事があり、カイトは勇者を起こすためにテントへと向かう。
そこで勇者を叩き起こし、寝具とテントを魔倉庫にしまい、三人に水の入った洗面器を取り出して渡す。
「顔を洗え、俺はその間に朝食を作る」
今回出た物は、パン、茹でたジャガイモ、焼き肉、サラダで、カイトはついでに昼食も作り置きする。
その材料には夜間に狩った魔物も含まれていて、カイトは昼食を魔倉庫に仕舞って皆を呼ぶ。
やがて食事が始まり、食後しばらくして一行は歩き出し、カイトも道具一式を魔倉庫に仕舞って後をついて行く。
最初のコメントを投稿しよう!