初めての町

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その報奨金は魅力的な金額で、勇者と魔法使いは二つ返事でやる気を出し、早速引き受けに行く。 金に目が眩んだのだろう、カイトは嫌な予感がしていたが、三人は店を出、カイトはその後を追う。 着いた場所は領主の家、依頼は領主を通して出ているので、引き受けることを伝えないといけないのだ。 領主は引き受けてくれると知って喜び、勇者達に依頼を任せてくれたが、カイトは不安しか感じなかった。 通り魔は夜に出るため、夜を待ってから出没場所へと向かい、道を行くに従って人気はなくなっていく。 そこは勇者達が食事した場所とは別の場所で、当たりには人っ子一人無く、不気味な雰囲気になっている。 通り魔の特徴は、肩までの黒いフードと、その上から全身を覆う黒いマントを羽織っていること。 領主の話しによると、相手の武器は剣、マントの隙間から腕を出すので、マントの内側を見た者はいない。 勇者達が警戒していると、その特徴を満たした者が現れ、僧侶が真っ先に動き、補助魔法を使う。 攻撃と防御が上がる四人、しかし魔法使いの攻撃は軽々と避けられ、勇者は対人戦なので動きが鈍い。 通り魔は剣を持ち、勇者の剣を軽々と避けて間合いを詰め、袈裟懸けに斬り裂く。
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