初めての町

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カイトは振り降ろされた剣を、横にした剣で受けて防ぎ、そのまま通り魔との距離を詰めて、蹴りを食らわす。 通り魔は左手で蹴りを受け、カイトは蹴りの反動で一旦距離を取り、再び距離を詰めて剣を振る。 響き渡る剣戟音、その音の中、僧侶が目を覚まし、体を起こして何があったかを思い出す。 その後、自分の衣服とかけられた布を見て、声を出しそうになるが、それを何とか耐える。 僧侶の耳に剣戟音が聞こえ、その発信源を見ると、カイトと通り魔が渡り合っていた。 引いては距離を詰めて斬り会う二人、互いに無傷であるが、通り魔が少し疲れているように見える。 僧侶はその戦闘に見入り、何かを心に決め、カイトは通り魔の剣を折り、その首に剣を当てた。 通り魔は折れた剣を捨て、カイトの剣を掴む。 「久しぶりだな、ここは引いてはくれないか?」 「用件次第だ、まあお前がいるってことは、どっかのバカがちょっかい出したんだろうな」 通り魔が告げ、カイトが答える、僧侶は二人が何事もなかったように話しているのを見て、驚いていた。 僧侶が観察していると、通り魔が自分がいる方向を指差し、カイトはそれを見て頷いた後、二人は近寄ってくる。
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