初めての町

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驚き動きが固まる僧侶、二人は僧侶が目を覚まし、戦いを見ていることに最初から気付いていたのだ。 (殺される) そう思って目をつむり、恐怖で涙を流す僧侶、しかし二人は優しい声色で語りかける。 「さっきは悪かったな、そう怯えるな、何も取って食おうなんて思ってない 傷は残ってないだろ?こいつの薬はよく効くんだ」 「ここで見たことは秘密な、あの二人が知ればうるさそうだ」 通り魔は僧侶の頭を撫で、カイトは僧侶の背中をさすりながら、通り魔に話かける。 「お前の目的は報復だろ?」 「ああ、人攫いの貴族がこの町にいてな、夜間は結界があって屋敷に侵入出来ないんだ。 だからその片棒を担ぐ関係者を襲撃したのさ」 「そのことを王様は知っているのか?」 通り魔は頷き、それを見たカイトは、魔倉庫からペンダントと試着室を取り出して告げる。 「許可は取ってるんだろ?これを使え、このペンダントは一回だけ結界を壊すことが出来る。 僧侶はこれに入って着替えてくれ、替えの服はあるだろ?」 カイトは通り魔にペンダントを手渡した後、試着室を指差して僧侶に言うと、僧侶は首を振った。
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