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カイトはそう言ってドラゴンに少し愚痴を漏らし、その後すまなそうにドラゴンに言う。
「下手に移動出来ないから、見えない場所まで行ってくれないか?また魔法使いが錯乱しそうだ」
『ああ、わかったよ、こっちも山を焼かれちゃ困るからね』
山へと入っていくドラゴンを見送りながら、カイトは思う、このまま移動してもいいのだが、魔法使いに怪しまれるだろうなと。
カイトは地べたに座り、三人が起きる間で待つことにして、負ぶっていたリーナを下ろして膝枕にする。
しばらくしてリーナが先に起き、次に魔法使いが目を覚ました後、飛び起きて辺りを見回し、食らいつくようにカイトに聞く。
「あのドラゴンはどうしたの!」
「逃げたぞ、もともと敵意が無かったようだ」
二度目の命の危機に身を震わす魔法使い、眠っていたリーナは、何のこと?と言わんばかりにきょとんとしている。
それに気付いたカイトがドラゴンがいたことを教えた後、木の焼け跡を指差して魔法使いに優しく告げる。
「魔法使い、山で使うなら火の魔法は止めておけ、山火事になるぞ」
魔法使いは反論せずに聞く。
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