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やがて日が暮れ、一行は早めに野営をする。そして魔法使いが眠り、勇者を強制的に眠らせた後にカイトとリーナは訓練する。
その後カイトが見張りをして、翌日となった。この日もカイトがリーナを背負い、山道を進んでいると周囲から物音がした。
武器を構える勇者と魔法使い、カイトはリーナを背負って自然体で構える。
現れたのは身なりの汚い男達、手には様々な武器を持っているが、粗悪品のようだ。
山賊であろう男達は、何も言わずに攻撃を仕掛けてくる、勇者は人を斬ったことが無く、身を竦ませて役立たず。
魔法使いはカイトに言われたことを覚えていたのか、火の魔法は使わず、近距離では杖による打撃、遠距離には風や土の魔法を使う。
カイトは寄ってくる山賊を転ばせ、蹴り飛ばしながら、背負ったリーナを起こし、背中から下ろして告げる。
「存分に暴れてこい」
するとリーナの様子が一変し、メイスで山賊を殴りとばし始める。
どうやら、戦うことが嫌いなリーナは、足手まといになりたくない一心で新たな人格を作り出してしまったようだ。
その人格が昨夜の訓練中に現れ、カイトに自らをレイナと名乗った。
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