序章~孤独の国~

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 《ソリチュード》。  そこはとても小さな国で、人工は約2万5千人。  主に特別強い力を持った子供や、身寄りの無くなった子供、親の勝手な都合で捨てられた子どもたちが住む。  その子供たちをちゃんと育ててくれるという、ソリチュードの大人たちに頼る大人がいるからだ。    必ずしもソリチュードで捨てられるというわけではないので、何人かの大人たちは世界中を周り、捨て子が居ないか探す。  なかにはソリチュードの大人たちには見つからず、餓死などで死んでしまう子供もいるのだ。    たとえば雨月の団長、神無月は、ちょうど国の近くを通っていたセインに、ソリチュードへ招かれた。  そして記憶を失ったまま育てられ、親のように温かく見守って育ててくれたセインを祖父のように思っている。  神無月が10歳になる頃、セインは亡くなってしまったが、その代わり、神無月は自分と同じ、独りぼっちの子供たちと一緒に人生を歩むことになった。    雨月は団員全員が15歳以上になったとき、旅をしようとしていた。  自分たちが生まれ、生きる意味を探すため、欲しいモノを手に入れるため。      
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