~破滅~

3/11
前へ
/20ページ
次へ
 大人たちは立ち上がり、武器や何やらを手にした。    長は、ソリチュードの片隅まで届くように、音声を放送する。     《新政府により誓い破棄!!直ぐに何十万の兵士が世界中から押し寄せてくる!!!!》      その声が響いた途端、今までふざけていた子供たちは黙り直後、次々と声を上げた。    もちろん雨月も。   『新政府……!?』    団員たちは、今までになかったような恐怖と焦りを顔に出した。   『おいおい………、冗談だろ…?』    常に無表情の霜月も、流石に表情を歪ませた。   『何十万……?ハハッ、勝てるわけがない』    如月も口では笑いながらも、目は一切の光を灯してはいなかった。   『仲間を心配しながらの戦争は無理だ。散ろう』    団長の言葉に、全員は敬礼をする。  そして深く頭を下げ、直後、一瞬でビルを出た。   『じいちゃん…、恐いよ…。みんな…居なくなっちゃいそうで………』      
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加