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「くっくっくっ。変な女だな。お前。」
背後から急に笑い声が聞こえたので、彩奈は振り返った。
「立ち聞きですか?趣味が悪いんですね。」
彩奈は冷静にその人物に言った。
「俺は初めから居たけど?お前らが気付かなかっただけだろ?お前名前は?」
「人に聞く前に名乗ったらどうですか?」
「俺?俺の事知らないの?」
「はぁ~?初対面ですよね?私知り合いなら分かりますから。」
「おもしれ~女。俺は藤堂結城。で?お前は。」
(げっ。そうだった。朝遠くからちらっと見ただけだから忘れてた。最悪。関わりたくない。偽名でいいっか?もう会わないだろうし。)
「山田 はなです。さようなら~。藤堂先輩。」
そうして、彩奈は走って逃げた。生徒手帳を落としていることに気付かずに。
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