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「ヨウ! B.B!」
そう呼び掛けられた大柄な白人――ブランドン・ブラウン――は圭司を一瞥すると、手に持っていたライフルからマガジンを抜き、セイフティをかけテーブルに置いてイヤマフを外しながら振り向いた。
「オー、ケイジ! 偶然だな」
にこやかな笑みを浮かべながら両腕を広げ圭司に近付いていくと、その対比で大きさが顕著に現れる。
殆どの人間が見上げなければならないであろう、それは二メートルを超える程の長身。
更には圭司の肉体を霞ませる程の、まるで巌が歩いているかの様な隆々と盛り上がった筋肉を持つその姿は巨人と言って差し支え無い。
フルサイズのハンドガンをすっぽりと収めてしまえそうなポケットがいくつも付く特大のタクティカル・パンツに、ブルーのラインの入った白の――そのサイズ以外は――ごくシンプルなTシャツ一枚という出で立ちをしている。
「まったくだ。レンジマスターは相変わらずサボリか?」
「そうらしいね。ま、レンジは綺麗だから何の問題も無いさ」
逆立たせた短い金髪を後ろへ撫でてから、両手を肩の上に挙げ首をすくめる。
一見寂れたこのレンジであるが、その実管理は行き届いており、訪れるシューターも皆無でない割にブラス・ケースやショット・シェルが転がっていた事は無い。
「そうだな。それじゃ、客も居ない内に俺も撃たせてもらうとすっか」
そう言って、圭司は荷物をブランドンの隣に置き、ブラックの大きなハードケースを開く。
中で横たわるライフルを覗き見て、ブランドンがにわかに歓声をあげた。
「ワォ! カッコイーじゃねーか。M14か?」
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