SUB-MOA

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 「ああ。スプリングフィールドのSOCOMだよ。オッチャンにカスタムを頼んでたんだ」  「ホー、イイな! やっぱりライフルは.308だぜ! .223のヘナチョコとは手応えが違うってモンよ。バレルが短いのも良い。ナア、後で撃たせてくれよ」  興奮を交えながら、嘗める様にSOCOMⅡを見るブランドンに苦笑しつつ圭司は返す。  「判ったよ。じゃ、お前のFALととっかえな」  そう言って圭司が指差したのは、テーブルに横たわっているブランドンのライフル、DSアームズ SA58 OSW。  チークピースの載ったパラ・タイプのメタル・フォールディング・ストック。11インチの極端に短いバレルに、世界的な流行にあるレールが四方についたハンドガード。  この手の銃にマッチし威圧感を増大させるシュアファイアのM910Aが取り付き、オプティクスはエイムポイントの新型、M4Sが搭載されている。  人類としては最大級の部類に入るブランドンに、.308のコンベンショナル・ライフルとしては最小クラスのSA58 OSWは些かに窮屈に見える組み合わせだ。  「オーケーオーケー。ノープロブレム」  圭司の提案に二つ返事で了承すると、ブランドンは踵を返し射撃に戻る。  SA58はテーブルに置いたまま、その隣のハンドガンを手に取り、シングル・ローのストレートなマガジンを叩き込むと後退位置に保持されているスライドをラック。  戒めを解かれたスライドはリコイル・スプリングに押され、ルブの助力を借りながら前進。  その途中、マガジン最上段からフィーディング・ランプを駆け上がり、エキストラクターにくわえ込まれた10㎜ autoをチャンバーに押し込みながら、小気味の良い金属音を立てて閉鎖する。
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