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……ズッ……
……ズッ……ズッ……
色んな考えが頭の中を渦巻いていたからか、私は聞き慣れない奇妙な音が耳について目を覚ました。
……ズッ……ズッ……
何かが擦れるような音。
それは部屋の外から聞こえてきていた。
ベランダ際の窓に寄って、濃い緑色のカーテンを端からそっとめくる。
街灯の頼りない明かりだけでは音の主が何なのかはすぐにはわからなかった。
何なの……?
……ズッ……ズッ……
よく目をこらして見ると窓の前の桜の根元に人間がいるのを発見し、心臓が止まるかと思う程驚いた。
聞こえるわけがないのに、音を立てないように気を付けながら大きく深呼吸をする。
額から冷や汗が吹き出した。
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