600人が本棚に入れています
本棚に追加
/42ページ
「ほとんど生ゴミですよ。空き缶も混ざってますが」
多恵子さんの視線がゴミ袋に向けられていたみたい。
女は心を読めるかのようにそれに答えた。
多恵子さんは部屋着の上に羽織っている薄手のカーディガンから携帯を取り出した。
「警察を呼ぶわ」
多恵子さんは力強く、半ば脅すように、たぶん女を睨み付けている。
私も万一を考えて携帯を取り出した。
「どうぞ。警察を呼ばれて困るのは私じゃない」
女は全く怯まずに多恵子さんに勝ち誇った顔を向けていた。
「一体あなた何者なの?」
「『調査研究所ゼブラエージェンシー』所長の白石亜紀子と申します」
最初のコメントを投稿しよう!