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「調査研究所……?」
「まぁ興信所や探偵事務所を想像してもらえればいいわ」
あまりの毅然とした態度に多恵子さんは少し圧倒されているようだった。
そう言えば……。
私は多恵子さんに教えてもらった探偵の事を思い出していた。
白石と名乗ったこの女よりも明らかに頼りない探偵だった。
「警察呼ばないの?」
唖然としている多恵子さんに白石が再び笑みを向けた。
「直美ちゃんは無事なのね?」
「茶番劇はやめましょうよ」
「茶番劇……?」
多恵子さんは大袈裟に首を傾げた。
植え込みから覗いている私にもその態度はわざとらしく見えた。
「ゴミ捨てなんてもちろん嘘よ。あなたをあぶり出したかったの。もうわかったでしょ? 山岸多恵子さん」
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