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「あなたは度重なる中富氏の要求に耐えられなくなり、中富氏を殺害してこの桜の根元に埋めた。
だから桜の移設に反対だったんでしょ?
そして真夜中だと言うのに音に気付いて、不気味に思いながらも私を止めに来た。
見つかるのを恐れたんでしょ?」
詰め寄る白石に多恵子さんは力なく頷いた。
「……直美ちゃんは本当に無事なのね?」
白石は深く頷く。
そこで多恵子さんは地面に膝をついて崩れた。
「……直美ちゃんは日頃から石井悟の娘の弥生にいじめられていたみたいね。
昨日髪を切られたみたいだったから、何とか見られるようにカットで整えたわ。
で、今日は私が見てる前でやり返させた。
バカ親は完全に勘違いしてたみたいだったけどね」
そんな!
色んな感情が入り乱れて、私はただ呆然と成り行きを見ていた。
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