後悔はない

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それから3年間俺は母さんの前では「雪恵」 学校では「柚」として振る舞った。母さんは学校以外は外に出させてくれなかった。 でも俺はある所に向かうために毎晩2階の窓から水道管をつたって抜け出す。 俺が俺になれる場所。心に暗い闇がある人が集まる場所。 明るい夜の町に隠れてひっそりとたたずむ喫茶店。 【Peculiar】 意味は変なだとか妙なとか気の狂ったらしい。ここのオーナーは変わっていて彼、いや彼女(今はあえて突っ込まないように)からすれば変=個性らしい。 俺は中坊のころからここでバイトをさせてもらっている。給料はちょっとしたご飯とかケーキだけど。そんなものよりここの独特な雰囲気に酔っていたかった。
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