ホワイトライトと群青と

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結局、蛇口を止めていた一瞬がタイムロスとなって響き、人影を確認する事ができなかった。 自動ドアが開いて閉じる音がした。少しの落胆。 だが、入って行ったという事は用が済めば出てくるはずだ。 待てばいい。 なんだがよく分からない感情のまま、自動ドアが再び開くのを待っていた。 開く。子供が出てくる。 大嫌いな無機質な白いきらびやかさが、うしろ姿を照らす。 深い青の色を浮かび上がった。 「!?」 驚き。と何かで思わず声をあげそうになり、馬鹿のように手で口なんか押さえている間に、髪が青く見えた子供は歩みを進めてしまった。 黒の中に青は飲み込まれて消える。 後で思えば、子供なんだからその元同級生本人であるはずが無いと、待っている間にでも気付いても良かったはずだった。 が、そんな些細なきっかけとなったことなど忘れ去っていた。 そのころにはもう、あの深い青……群青というのかも知れないその色が、気になって仕方なかったのだから。
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