道程

3/6
前へ
/125ページ
次へ
結局、ゲームを買おうと決めた。 まだ時間は早い。ファーストフード店にでも寄って、朝食にしようか。 そこまで考えた時、大きな交差点に俺は立っていた。今は、信号の色が変わるのを待つだけだ。 人も車も、まだ少ない。直に増え、俺の嫌いな状況を生み出すだろう。 だから、早くにここへ来た。 たいしたこともなく渡って、ホッと一息つきながら歩いている。 そんな俺が居るにも関わらずに、“そいつ”は向かってきた。自転車で。 「わっ!?危ないッス!」 危ないのは、お前の方だ! ギリギリで避けた俺に、違和感が過ぎった。正体は不明だ。 「次からは双方、注意するッス」 “そいつ”は、俺に顔を見せて笑った。
/125ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32人が本棚に入れています
本棚に追加