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結局、ゲームを買おうと決めた。
まだ時間は早い。ファーストフード店にでも寄って、朝食にしようか。
そこまで考えた時、大きな交差点に俺は立っていた。今は、信号の色が変わるのを待つだけだ。
人も車も、まだ少ない。直に増え、俺の嫌いな状況を生み出すだろう。
だから、早くにここへ来た。
たいしたこともなく渡って、ホッと一息つきながら歩いている。
そんな俺が居るにも関わらずに、“そいつ”は向かってきた。自転車で。
「わっ!?危ないッス!」
危ないのは、お前の方だ!
ギリギリで避けた俺に、違和感が過ぎった。正体は不明だ。
「次からは双方、注意するッス」
“そいつ”は、俺に顔を見せて笑った。
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