出会い

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カリカリ。カリカリ。 小さな音も、今はまったく聞こえない。 実際に真空である空間に入ったことは無い。何も施さずに入れば、膨張して爆発するだろう。それしかわからない。 しかし、俺は真空空間の中に居るのと同じだった。 つまりは、無音。 出来た……還っていいよ。 俺の手が、葉を放る。風に舞う葉は、ゆっくりと動いて見えた。 それを見送って、自身の書いた詩を読む。 『木々が風に踊る 一葉また一葉と 降りてゆく それは何故か 木々の意志なのか それとも 一葉の意志なのか 人には知り得ない 彼等では無いから 人には知り得ない 知ろうとすることをしないから』
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