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俺がそれに気付いたのは、目当ての品を会計まで持って行った時だった。
なんか…視線を感じる……。
「こちらでよろしいですか」
大して気にも止めず、店員に首を縦に振って答える。店員は、少し細い男だ。
声も小さく、頼りない印象を受ける。
実際、お釣りを取るにも苦労していた。まだ、研修段階なのだろうか。
しかし手慣れた様子の女のレジには行けない。俺の体が拒絶するだろう。
「ありがとうございました」
囁くようなその言葉に頷き、受け取ってから俺は外に出た。
もう、すっかり頭から視線のことは消えていた。
その時だった。
「待つッス、環境破壊犯」
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