独り

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もう自分で言うのも馬鹿馬鹿しいと思う。 下らない理由だからだ。 だけど、その下らないことに、俺はたくさんのものを失った。 下らない、な…。 思い出せば吐き気がする。過去を生きた俺は、今の俺とは違う人物のようにさえ思えてくる。 嗚呼、どうしてここまで変わったんだろう? まともに学校に通っていたら、おそらく中学一年生だ。 とはいえ、まったく俺は行く気が無い。 何も言われないのは、母親が世間体第一の人間で…俺は原因不明の病で意識不明ということにされているからだ。好都合にしか、感じない。 さて、行きますか! 思考を一気に切り替えた。 時刻は五時。まだ、家族は眠っている筈だ。
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