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そもそも自力でこの空間を発見する事は、奇跡的なことで、知恵を真に望む事より遥かに難しいらしいのだ。
それというのも、この空間はその性質上ありとあらゆることが出来てしまうため、できる限り他の生物との接触を避けるように世界と空間を繋げていた。
この空間を自力で見つける方法、それは皆無に等しいのだ。
そのため俺がこの空間に入り、しかも知恵を願うものとしてでなく、自力で発見出来た(果たして自力と言えるかどうかは怪しいが。)ものとして来店した事は、前に類をみないほどに珍しいことだったらしい。
そこで、その人の説明は終わった。
「…なんで俺はこの世界に入れたんですか?
それほど外部のものの侵入を拒んでいるのに……」
「それは私にも分かりません。
なにせ、人が自力で見つけるなんて前例がないのですから。
判断のしようがないのです。」
「ではこの空間を貴方以外の人が利用すると、どんな害が起きるのですか?」
「そこまで貴方に答える義理はありません。
そのようなことを聞く意味もないでしょう?」
「それもそうですね……。」
どうやらこれ以上は答えてくれそうもなかった。
しかし、これだけ教えてくれたのは予想外に嬉しいこと、そして驚くべきことだった。
実際、ここまで話してくれるのには、裏があるのでは?と思ってしまったほどだ。
「さて、それではこの空間のこともわかった事ですし、何をご所望ですか?」
「……へ?俺はお客ではないんですが……」
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