Episode:1

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あまりにも当たり前すぎるブン太の言葉を、一瞬だけ考えてしまったのだ。 俺は、テニスが好きなのではない。 なにか、もっと別の感情をテニスに対して抱いている。 それはきっと、今目の前に居るブン太には理解しがたい感情なのだろう。 だから、口を噤む以外の反応ができなかった。 視界の端で湿気を含んだ葉がひゅるりと落ちるのが見える。 「・・・・。」 ごまかすように緩い笑みをブン太に向けると、ブン太もさっきの俺のように窓の外を見ていた。
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