Episode:1

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「あ・・・。」 ブン太はなにかを見つけたのか、小さく声をあげる。 視線の先をたどると、立海の制服を着た女の子が、校門脇にある大木の下に佇んでいた。 「なぁ、幸村。」 不意に名前を呼ばれたせいか、返事が遅れる。 「・・・・・なに?」 「木の下に立ってる女子って誰か分かるか?」 「いや、全然。」 「そっか…。」 ブン太の横顔が、なぜか不自然に歪むのがわかった。 何かを悔やんでるような、皮肉っているような・・・上手く言葉に出来ないような表情。 少しだけ、そんな顔をするブン太を羨ましいと思った。 自分には、そこまで思い悩む相手がいないから、それを見ると酷く寂しい気持ちになる。 自分一人、置いて行かれてるみたいで・・・。
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