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「変わったー?」
桔梗にそんなことを言われるなんて思ってなかった僕は驚いた。
「うん。口では説明しにくいんだけどなんか雅が遠くになったー」
それって桔梗が僕に距離を感じてるってこと……?
「桔梗は…「あのね、雅が考えてるような悪い意味じゃなくてー…何て言うか僕を守ってくれてる感じかなー…解るー?」
僕の顔をのぞき込んでる桔梗はどこか不安げ。
「解るよー?僕は桔梗のお兄ちゃんだからねー」
僕がそう言うと桔梗は嬉しそうに目を細めてくれた。
実を言うと僕は桔梗の言ってることがよく分からなかった。けどああやって言わないと桔梗がいつまでも不安な顔をしちゃうから。
同じ顔、同じ体型。見た目はそっくりなのに僕らの考え方はずいぶんと違ってきた。
きっかけは5年前のあの日。光史が専門の入学式を終えて帰ってきた時だった。
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